今日の証券市場の論点―1.信用取引(上)
拡大する信用取引制度 — 本年7月から日証協の自主規制規則が改正されることにより、外国株の信用取引が解禁される(当面は、米国株のみ)。PTSの信用取引が2019年8月に解禁されたことに引き続いて、信用取引制度の対象が拡大されることになる。
我が国の信用取引制度は1951年に導入されて以来、永らく証券取引所での売買にその対象を限定してきた。しかし近年、相次いでその対象範囲が拡大される訳で、さらにダークプールへの拡大を望む声もある。本稿では、このような信用取引の対象拡大には、どの様な規制面の考え方の変化があったのか、そして今後の展望について私の見解を述べることとしたい。