二次利用について
2022年8月23日
「リスクマネジメントと市場インフラ」
中島敬雄 元DIAMアセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)株式会社 代表取締役社長
世界は40年振りに本格的なインフレ局面を迎えようとしている。 銀行のALMにとって、インフレに起因する金利上昇は最も大事なリスクマネジメントの場面だ。この40年の間に、”金融の市場化”は急速に進み、市場の規模は拡大し、質も著しく向上した。その中にあって、銀行は、自らのリスク・プロファイルを巧みに変化させることにより、新しい市場環境に適合する術(すべ)を身につけてきたのである
カテゴリー 金融資本市場
2022年8月9日
「今日の証券市場の論点―2.社債管理」(下)
森本学 日本証券業協会 副会長
(上)では、我が国独特な社債受託制度と起債調整が、どのような背景と経緯で形成されてきたかをみた。(下)では、それらの制度が戦後も長らく続いた後、新しい社債管理制度が導入されたものの、それは必ずしも社債市場において期待された役割を果たしていないことから、社債管理制度の今後のあるべき姿について私見を述べることとしたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年7月26日
「今日の証券市場の論点―2.社債管理」(上)
森本学 日本証券業協会 副会長
日本の社債市場についてよく語られる「低格付け債が発行されない」、「個人向け債が少ない」という課題は、社債管理制度がうまく機能していないことが原因の一つとされている。それでは、この社債管理の制度・慣行はどのように形成され、いま社債市場全体に対してどのように作用しているのだろうか? 本稿では、日本の社債管理制度の創設、展開を振り返りつつ、上記のような問題へのインプリケーションを探ることとしたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年6月28日
「投資信託の販売手数料に関する一考察」(2)
大久保良夫 日本投資者保護基金 理事長
投資運用サービスは様々な業務の組合せで成り立っており、インベストメント・チェーンにかかわる者のそれぞれが提供するサービス内容や責任分担が明確であることがその健全な発展のために不可欠である。特に投資信託は幅広い投資家の参加を前提としており、その顧客サービスには多大な費用も生じるので、これがどのように賄われるかは投資家にとっても業界にとっても大きな関心事である。
我が国では投資信託に係る費用の水準は自由に決められる仕組みとなっているが、その販売手数料については個々のファンドについて上限を目論見書に記載することが求められている。しかし販売手数料は販売会社自身が顧客に提供するサービスの内容に応じた形で決めて周知するのが適当であり、運用会社の作成する目論見書への上限記載規制は廃止すべきではないか。国際的な議論も踏まえ、筆者の個人的な意見を述べたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年6月14日
「投資信託の販売手数料に関する一考察」(1)
大久保良夫 日本投資者保護基金 理事長
投資運用サービスは様々な業務の組合せで成り立っており、インベストメント・チェーンにかかわる者のそれぞれが提供するサービス内容や責任分担が明確であることがその健全な発展のために不可欠である。特に投資信託は幅広い投資家の参加を前提としており、その顧客サービスには多大な費用も生じるので、これがどのように賄われるかは投資家にとっても業界にとっても大きな関心事である。
我が国では投資信託に係る費用の水準は自由に決められる仕組みとなっているが、その販売手数料については個々のファンドについて上限を目論見書に記載することが求められている。しかし販売手数料は販売会社自身が顧客に提供するサービスの内容に応じた形で決めて周知するのが適当であり、運用会社の作成する目論見書への上限記載規制は廃止すべきではないか。国際的な議論も踏まえ、筆者の個人的な意見を述べたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年5月30日
「米国投資家から見た日本の部分TOBにおける諸問題」
Toby Rodes CIO/Co-Founder, Kaname Capital
槙野 尚 Associate Partner, Kaname Capital
近年親子上場への批判が高まりつつあるが、親子上場を生み出す部分TOBについてはあまり議論されていない。しかし部分TOBにおいても完全子会社化と同様に少数株主を保護するべき必要性があり、こうした制度的対応がなされていないことは海外投資家が日本市場をディスカウントする一因となっている。ここでは特に米国投資家の視点として、SEC規制との関連で米国居住株主の除外とショートテンダーの容認という二つの問題を指摘してみたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年5月16日
「新たな資本主義での上場会社の在り方~東芝のケーススタディ」
若林 秀樹 東京理科大学大学院教授
新しい資本主義を考える上で、アクティビスト、国家安全保障を巡る政府の関与、非公開化是非など、直近の東芝問題は、良いケーススタディとなる。混乱の一因は指名委員会等設置会社というガバナンス体制にある。社外中心、特に一部の短期株主による構成メンバーが経営を決め、社内は執行する体制では、日本の競争力低下になるだろう。長期保有株主を優先し取締役会も政府や組合、近隣住民などマルチステークホルダーを意識、経営のKPI(重要業績評価指標)も数値の質を考慮すべきだ。非公開化のデメリットは、ガバナンスの不透明化、事業バラ売りリスクでプラットフォーマー型ビジネスが難しく、ファンドと会社の経営認識の時間軸差問題、従業員モラル低下が懸念されることだ。
カテゴリー 金融資本市場
2022年4月26日
「地銀の有価証券運用における問題点」
高橋 克英 株式会社マリブジャパン代表取締役
地銀が保有する外債の評価損が拡大している。このまま金利上昇傾向が続けば、業績への悪影響も懸念されている。多くの地銀が、「適切なリスク管理を前提に、分散投資を基本とし、安定した流動性と収益を確保する」としているが、本当にそんな施策は、実現可能なのだろうか。有価証券運用の外部委託も進むなか、地銀の有価証券運用の問題は、突き詰めてみると経営・組織・人事制度の問題ともいえる。マーケットは予測不能、リスクとリターンはトレードオフという前提のもと、地銀は有価証券運用においていかに収益を確保するのかを論じたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年3月29日
「企業開示をめぐる最近の議論」(下)
池田 唯一
(上)および(中)で取り上げた諸テーマに引き続いて、金融審議会のディスクロージャ・ワーキング・グループ(WG)では、「開示の頻度・タイミング」について審議が進められている。その審議の中では、四半期開示の見直しの問題が議論されており、特に人々の注目を集めている。 この関係での1回目の審議の模様は、既にいろいろな形で報道がなされているが、改めてその内容を整理した上で、思うところを述べてみたい。
カテゴリー 金融資本市場
2022年3月15日
「企業開示をめぐる最近の議論」(中)
池田 唯一
現在、金融庁の金融審議会ディスクロージャ・ワーキング・グループ(WG)においては、金融商品取引法上の企業情報開示のあり方について幅広い検討が進められている。 (上)では、WGにおける討議項目のうち、「サステナビリティに関する開示」および「コーポレートガバナンスに関する開示」について述べた。 本稿では、これに引き続き、「経営上の重要な契約の開示」について思うところを述べたい。WGでは、この討議項目の下で、コーポレートガバナンスの問題と密接に関わる「企業・株主間の合意の開示」、そして、企業の財務状況の判断に大きく関わるものとしてかねてから懸案とされてきた「ローン・社債に付されるコベナンツの開示」の2つが主な論点として取り上げられている。
カテゴリー 金融資本市場