脱炭素とトランジッション・リスク ~地域金融の役割も重要

脱炭素とトランジッション・リスク ~地域金融の役割も重要

気候変動と金融—気候変動に向き合う金融機関の経営は、多様な事象が相互連関性を持ちながら多くの課題を伴うだけに難しい。それだけに、金融当局、個別金融機関それぞれに慎重かつ先見性の高い対応が求められる。 金融と気候変動との一義的な関係性を考えても、金融取引を通じて経済活動に脱炭素を促す規律付けを行う「正の側面」と、異常気象などの資産価格に直截的影響を及ぼす、あるいは関連する規制や政策が間接的に資産価格等に財務的影響をもたらす「負の側面」がある。本稿は、負の側面に係る金融リスクに着目し、その延長線上で地方金融が果たすべき役割についても議論を展開したい。
  
野崎浩成 東洋大学 教授 著者経歴
 

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