企業開示をめぐる最近の議論(上)
現在、金融庁の金融審議会ディスクロージャ・ワーキング・グループ(WG)においては、金融商品取引法上の企業情報開示のあり方について幅広い検討が進められている。これまでに、サステナビリティに関する開示、コーポレートガバナンスに関する開示、経営上の重要な契約の開示といった主要な論点について一通りの討議が行われた。
本稿では、このうち、サステナビリティに関する開示およびコーポレートガバナンスに関する開示の問題を取り上げる。WGにおけるこれまでの議論からは、これらの論点について、委員の間にはそれほど大きな対立点がないように見受けられる。今後、報告書の取りまとめに向けては、なお紆余曲折がありうるだろうが、この時点において、WGにおける議論について思うところを述べてみたい。