新たな資本主義での上場会社の在り方~東芝のケーススタディ

新たな資本主義での上場会社の在り方~東芝のケーススタディ

新しい資本主義を考える上で、アクティビスト、国家安全保障を巡る政府の関与、非公開化是非など、直近の東芝問題は、良いケーススタディとなる。混乱の一因は指名委員会等設置会社というガバナンス体制にある。社外中心、特に一部の短期株主による構成メンバーが経営を決め、社内は執行する体制では、日本の競争力低下になるだろう。長期保有株主を優先し取締役会も政府や組合、近隣住民などマルチステークホルダーを意識、経営のKPI(重要業績評価指標)も数値の質を考慮すべきだ。非公開化のデメリットは、ガバナンスの不透明化、事業バラ売りリスクでプラットフォーマー型ビジネスが難しく、ファンドと会社の経営認識の時間軸差問題、従業員モラル低下が懸念されることだ。
  
若林 秀樹 東京理科大学大学院教授 著者経歴
 

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