中国の2023年の経済政策と当面の経済状況

中国の2023年の経済政策と当面の経済状況

3月の中国全国人民代表大会は、2023年のGDP実質成長率の目標を「5%前後」と設定した。このため、財政政策は「力を加え、効果を高め」、金融政策は「精確・有力」でなければならないとされ、この成長目標実現をサポートすることになった。しかし、他方で財政の持続可能性・債務リスクの防止とのバランスも意識されている。1-3月期の成長率は4.5%と年間目標を下回った。しかし、これは中国の四半期成長率が、先進国の前期比成長率ではなく、前年同期比成長率を採用しているため、実際の経済回復が十分に反映されなかった面がある。個別指標をみると経済の回復は明らかであり、年間目標の達成は可能であるが、24年以降の5%成長達成は不透明である。
  
田中修 拓殖大学大学院経済学研究科 客員教授 著者経歴
 

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