一連のクレジットイベントからAT1債を再考する
2023年が始まり、米国金融機関の経営破綻が相次いでいる。3月8日にシルバーゲートが自主的な清算を選んだことを皮切りに、10日シリコンバレー銀行、12日シグネーチャー銀行、5月1日ファーストリパブリック銀行が相次ぎ経営破綻したが、これで収束したと言えるかも不透明な状態で危うい。米国の金融機関破綻については、これまでの問題とは異なる新しい金融システム不安の萌芽なのだと整理することが可能である。ALMの不一致という、相当初歩的なミスもあったが、仮想通貨やベンチャーキャピタルなどリスクマネーの供給先に疑義が出たことなどは新しいリスクであると言えなくもない。