のれんの会計処理 日本における戦略的議論の必要性

のれんの会計処理 日本における戦略的議論の必要性

IASB(国際会計基準審議会)は2022年11月の理事会において、企業買収(M&A)における買収価額と買収対象企業の純資産との差額である「のれん」の事後測定について、規則的償却をせずに減損処理のみとする現行の処理方法を維持することを決定した。のれんについて、日本基準では償却をするがIFRS会計基準(国際会計基準)では償却は行わないので、買収後利益に大きな見かけ上の違いがあり、どちらが適切なのかの議論が続いていた。日本としては、国際的な会計が日本の会計に合わせて修正することを期待していたが、当面の間それが実現しないことが確定した。この点について、現在ボールは日本側に投げ返されていると認識すべきであり、早急に戦略的な議論を開始する必要性がある。
  
鶯地隆継  有限責任監査法人トーマツ 著者経歴
 

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