公開価格の設定プロセスの見直しについて—見直しの概要と実施状況

公開価格の設定プロセスの見直しについて—見直しの概要と実施状況

 日本証券業協会では、初値と公開価格の乖離についての問題提起を端緒とした検討を経て、2022年2月に「公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ」報告書を取りまとめ、公正な価格発見機能向上や、発行者及び投資者の公開価格の算定根拠等に対する納得感の向上を目指し、グローバルスタンダードを意識した施策の実現に向けて取り組みを行ってきた。2023年10月からは、仮条件の範囲外での公開価格設定、上場日程の期間短縮・柔軟化等の施策が実施可能となり、当該施策を採用するIPOも散見されるところである。本稿では、これらの施策の概要及び実施状況等について、私見を述べることとしたい。
  
宮脇隆宗 日本証券業協会 自主規制本部 エクイティ市場部長 著者経歴
 

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