米景気堅調と高金利・ドル高の下でのカネ余り
世界経済については分析すべき点が多いが、今後1~2年を考える上で、①大幅利上げをうけた米景気の先行き、②米金利高・ドル高の下でグローバルな金融環境が緩和的である理由と見通し、に注目したい。米景気は利上げの影響で減速に向かうが、移民増や企業の資金ポジションが良好なことなどから、失速は避けられよう。また、グローバルな金融環境が緩和なことは、流動性が潤沢=一種のカネ余りであることを示唆している。当面米インフレが鈍化を継続し、米金利が低下し始めると米国に集まった資金が分散、米国以外の株式や新興国債券などにプラスに働く可能性がある。ただ、中期的には①軟着陸、②金融市場の不安定化、③インフレ再燃など、複数のケースが考えられる。