トランプ政権の誕生が日本の市場関連規制に及ぼす影響
トランプ政権の誕生で米国の政策には様々な変更が予想される。市場関連規制の関係でも、気候関連開示規制、暗号資産規制、コーポレートガバナンス関連などの分野で政策の変更が生じうる。本稿では、そうした米国における変化が日本での動きにどう影響を及ぼしうるのかについて考察する。これらの規制をめぐる問題状況は日米で随分と違いがあり、米国での動きがすべて日本の参考になるものでもない。しかし、日本における今後の取組みの方向性を確認していく上では、米国の状況をよく踏まえておくことが重要となる。米国における一連の動きの中では、証券法制の下で市場規制当局の権限の範囲がどこまで及びうるのかといった問題も提起されており、この点にも留意していく必要がある。