トランプ政権がもたらす金融のブロック化への対応

トランプ政権がもたらす金融のブロック化への対応

 安倍政権以降、日本ではデフレ脱却に向けて金融を成長戦略の柱に据えてきた。新しい資本主義を実現することが日本を豊かにして、構造問題の解決に繋がるという考え方は極めて正しい。しかし、トランプ政権の発足を受けて、経済安全保障に比重が置かれるなか、新自由主義的な金融フローには国益を考慮した一定の歯止めがかかる時代になっている。日本の資本市場では、リスクマネーを海外から受け入れる一方で、国内金融資産や企業の余剰資金は海外へ向かっており、国内で生まれたキャッシュフローが国内に留まる部分は必ずしも多くない。日本でも、自国内で成長と投資の果実を享受できる「リスクマネーのエコシステム」の構築が求められる。
  
SBI大学院大学教授 柴崎健 著者経歴
 

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