コーポレートガバナンス・コードの改訂は改革の実質化につながるか

コーポレートガバナンス・コードの改訂は改革の実質化につながるか

 金融庁は、コーポレートガバナンス(CG)・コードを三たび改訂する方針を明らかにした。CG改革の実質化を促しつつ、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に真に寄与する対話を促進することがそのねらいとされる。しかし、CG改革の実質化をねらってCGコードに新たな記述を加えても、結局、それがまた新たな形式的対応を生むというのが過去の経験だった。企業と投資家との間の対話が時に形式的なものとなり、必ずしもCGコードのねらい通りになっていないことの背景には、機関投資家の抱える投資先企業数の多さをはじめ、いくつかの構造的要因が考えられる。それらにメスを入れずにCGコードを改訂しても、CG改革の真の実質化にはつながらないかもしれない。
  
池田唯一 大和総研 専務理事 著者経歴
 

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