サナエノミクスの行方

サナエノミクスの行方

 今後の経済政策はどうなっていくのだろうか。アベノミクスが日銀の協力で成し得た面が強かったことに対し、今後の経済政策は財務省の協力によって成し得ることになると見る。もちろん、財務省が財政積極政策に対し、自発的かつ前向きに協力する訳ではないだろう。しかし、半ば義務的な支出の増加によって、結果的に今後も積極財政と同等の支出となる可能性が高い。その帰着として、公的債務残高/名目GDP比率の改善が継続し、財政の健全化が進む可能性が高いと計算できる。こうした社会実験を経ることで、「健全な財政の確保」との財務省設置法上の目的に対する有権解釈が、税率を闇雲に上げることではなく、最大税収を得られる最適税率を探ることに変わる蓋然性が高い。最終的には、今後の経済政策には財政当局が協力し、日本経済や市場を繁栄に導くことになると考えられる。
  
木野内栄治 大和証券チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当ストラテジスト 著者経歴
 

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