企業開示制度の見直し―見直し後の状況を踏まえて継続的な検討を

企業開示制度の見直し―見直し後の状況を踏まえて継続的な検討を

 2025年12月、金融庁の金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ(WG)が報告書を公表した。スタートアップ等の資金調達ニーズの高まり、サステナビリティ情報その他の非財務情報の開示の充実など、金融商品取引法上の企業開示をめぐる環境の変化を踏まえ、報告書は、①有価証券届出書の提出免除基準の引上げ、②特定投資家私募制度における勧誘対象範囲の拡大、③株式報酬にかかる開示規制の見直し、④非財務情報の開示にかかる虚偽記載等に関する責任の範囲の明確化(セーフハーバー・ルールの導入)を提言する。金融庁は、提言の内容を踏まえて制度の整備を進め、国会に金融商品取引法の改正案を提出する方針だ。提言は、直面する課題への対応として、おおむね妥当な結論と考えられるが、WGでは、項目によって、より踏み込んだ検討を求める意見も出された。今回の制度見直し後の状況を検証しながら、継続的に検討を行っていくことが求められるだろう。
  
池田唯一 大和総研専務理事 著者経歴
 

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