二次利用について
2022年7月12日
IPO論争に見る金融市場、そしてスタートアップの未来
村上誠典 シニフィアン株式会社 共同代表
IPOプロセスに対する議論が巻き起こっている。事の発端は岸内閣発足後加速しているスタートアップの社会的重要性の高まりと、IPO PoP(初値高騰)が常態化しているIPOプロセスに対するスタートアップ企業からの不信感である。単なる金融市場の制度整備という観点ではなく、日本成長戦略の要の一部としてどのようにIPOプロセスを位置付け、競争力のあるものにアップデートしていけるか。長年、金融市場やスタートアップに関わる立場から参加した日本証券業協会のワーキング・グループの委員として感じた、今年発表されたIPOプロセスに関する報告書に関する議論の経緯と成果、積み残した課題、そして未来創造に向けて金融市場への期待について。
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2022年4月12日
株式新規公開(IPO)をめぐる制度改革のあり方
大崎貞和 野村総合研究所 主席研究員
-ベンチャー企業の成長促進という課題-近年、新たな産業の担い手となるベンチャー企業への成長資金供給や株式新規公開(IPO)のあり方をめぐる議論が活発である。その背景には、GAFA、GAFAMなどと称され世界を席巻する巨大IT企業を生み出した米国や膨大な人口と急速な成長で2010年には日本を抜いて世界第二の経済大国となった中国などと比べて、成長力が見劣りする日本経済と日本企業の現状に対する問題意識がある。日本では、創業間もないベンチャー企業に成長資金を供給するベンチャーキャピタル(VC)ファンドが拡がりを欠き、IPO企業も規模が小さく、株式公開後の成長性も高いとはいえないのが実情である。
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