国民には理解し難い「YCCの再修正」
10月の金融政策決定会合では「YCCの再修正」が決定された。主な意見をみると、政策委員会は今後も「YCCの枠組みは維持すべき」との合意形成がある。財政健全化の道筋がみえないためであろう。日銀は長期金利急騰を回避するため、国債買入れ縮小とマイナス金利政策の解除には慎重な姿勢か。ただ、「日銀はインフレ目標を達成しているにもかかわらず、放漫財政を下支えするために、物価高で家計を犠牲にしても金融緩和を継続している」と解釈されると、国民の信頼を失い、「期待に働きかける金融政策」ができなくなる。政府が物価高対策を行い、日銀は大規模緩和を通じて、政府と一緒にデフレ対策を行うユニークなポリシーミックスは、資産インフレや格差拡大を助長しかねない。